2008年2月6日(水)、新丸の内ビルディング10階「エコッツェリア」にて、「大手町・丸の内・有楽町地区屋上緑化アイデア提案競技」の表彰式が行われました。当日は受賞者やメディアをはじめ、ご来賓の環境省 水・大気環境局 志々目大気生活環境室長ならびに国土交通省住宅局の和泉洋人局長、ご協力をいただいた大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会や三菱地所株式会社の関係者など、100名を超えるご参加がありました。

表彰式では受賞9作品に対して、賞状と副賞が手渡され、輿水肇審査委員長(明治大学教授)より、全体の講評をいただきました。新東京ビル部門・最優秀賞の田島ルーフィンググループの和智修さんは受賞スピーチの中で「屋上緑化の市場はまだまだ発展途上であるが、良質で魅力ある提案を通じてこの市場の拡大に寄与し、更には環境問題にも積極的に貢献できる企業になりたいと考えている」と語り、新有楽町ビル部門・最優秀賞のE-DESIGN・東邦レオ共同企業体の忽那裕樹さんは「汎用技術の裏付けがあった上で、ここでしか出来ないものを作ろうと考えた。これからは人との新しい関係をつなぐ空間作りが一番重要になる。人が新しい関係を作ろうとした時にそっと包み込むような空間を提供したいと思っている」と語るなど、緑化=環境改善という側面だけでなく、多面的な効果(精神的、物質的、経済的)を併せ持つ空間づくりの方向性に向かいつつあることを感じました。
屋上開発研究会も発足以来19年目、また、NPO法人格取得6年目を迎えることとなりました。この時期このように大きなイベントを開かせていただけるのも、ひとえに行政をはじめ、学識者、マスコミの方々、研究会の会員の皆様の日ごろのご支援の賜物と感謝しております。本競技は、日本の中心であり、大都市の中央にある東京駅前という歴史と伝統ある優れた都市景観を構成する数多くの建築群が作り出す街並において、現在では、古い良きデザインを残しつつも、有効利用と、新たな生活スタイルを創造し、環境改善を進めながら、変貌しつつある地区にいかにより良い屋上緑化が提案できるかといことでアイデアを公募したわけです。対象建物は、2棟ですが、合計36の案件の応募がありました。いずれも素晴らしい提案を頂きました。来年度は、発足20周年を迎えるに当たり、その準備に向け、新たな事業展開に取り組んで参ります。皆様方のより一層のご支援をよろしくお願いいたします。
本年、わが国は洞爺湖サミットの議長国として環境問題を最重要課題の1つとして政府を挙げて積極的に取り組んでいくこととしております。特に地球温暖化は世界的に関心が高まっており、本年は京都議定書の第一約束期間の初年にあたります。また、都市におけるヒートアイランド現象への対応が重要となってきておりますが、この大手町・丸の内・有楽町地区では、ヒートアイランド対策等の先進的な取組が精力的に行われております。屋上緑化は都市の限られたスペースを有効活用しつつ、ヒートアイランド現象を緩和できる大変効果的な対策であります。今回受賞された優れた屋上緑化アイデアが日本の中心ともいえる大丸有地区で実現されることがあれば非常に意義深いものになると考えています。地球温暖化問題は一人ひとりの活動が関連しているため、現在政府を挙げて、国民一人当たり1日1kgの二酸化炭素排出削減を目指した国民運動に取り組んでいます。地球温暖化問題に対し、少しでも多くの方々の理解が深まり、国民運動の輪が広がっていければありがたいと思っています。
いま政府では、全国の10の都市を選んで、国際的に通用するモデル都市をつくろうとしていますが、今回、日本の都市再生・環境再生の顔とも言える大丸有地区に集まってきたアイデアが、いろいろな都市に伝播していくことを期待しています。   超高層のビルが建つようになり、東京のビル群を更に上から見るようになって、これら屋上の景観を何とかしたいと常々思っていた。地球温暖化に対する危機意識も強くなってきた。そんな中で行なわれた今回のコンペでは、温暖化対策としての屋上緑化技術だけではなく、デザイン性というか、見た目に美しいということが重要だという認識で提案されている素晴しいアイデアばかりで、大変素晴しいものだと思っています。このアイデアを今後大きく発展させていきたいものだと考えています。

表彰式に続いて行われた懇親会では、屋上緑化の今後のあるべき姿について活発な意見交換が行われました。会場の外には受賞作品のパネルが一堂に並び、制約条件の多い既存ビルの屋上を緑化する新提案について、じっくりと読まれていたのが印象的でした。